2015年6月1日月曜日

読書会読後感「アイルランドを知れば日本がわかる」


2015.5.21に読書会が行われました。
取り上げた本は、「アイルランドを知れば日本がわかる」

以下、読後感です。
「ケルトの誇り」という言葉を聞いたことがあります。
イングランドより古い巨石文化の遺跡があり、ローマ帝国の支配を受けなかった独自の文化を持ち、キリスト教は聖アウグスティヌスのイングランド宣教より100年以上前に聖パトリックよる布教を受けていることなどが背景にあるのかと思っていました。

しかし本書を読み前回の「イギリス史10講」と併せて考えますと800年に亘るイングランドからのすさまじい迫害に抵抗し耐えてきた不屈の精神をいうのだと思いました。

ニーチェならルサンチマンというかも知れません。
清教徒革命のクロムウエルは信教の擁護者であり名誉革命のウイリアムは民主主義の擁護者とだけ聞かされていた私は、アイルランドがクロムウエルによって人口の三分の一近くが殺害されたこと、ウイリアムによって更なる徹底した殺戮が繰り返されたことを知り世界の歴史は大国の都合で書かれることを再認識しました。

スコットランドでも似たようなことが起きたようです(イギリス史10講)。

現代においても大国の片隅で少数民族が迫害されているケースがあるようです、

人間は何時まで神に背を向けて歩き続けるのでしょうか。

19世紀のジャガイモ飢饉では百万人の餓死者と百万人の新大陸への流民(移民)が出た経緯は以前読んだ「ジャガイモの世界史」にありました。

その間もイングランドの不在地主は搾取を続けたというからひどいものです。

現在ではアイリッシュアメリカンは4千万人とアメリカで大政治パワーになっているそうですが開拓当時のアメリカではWASPから見てアイリッシュは下層民で3Kの仕事にしか就けない、西部開拓の勇士にアイリッシュが多いのはそのせいだと聞くとケネディーが「ケルトの誇り」と言われるのがよくわかります。

「イギリス史10講」ではイングランドとフランスの近親憎悪に似た関係を著者はシャム双生児と表現していました。アメリカ独立戦争とフランス大革命のときの米仏の関係、アイルランド独立運動に好意的なアメリカなどを見るとなるほどと納得できます。

著者はアイルランドと英国が最近和解できたとして、日韓の関係改善に参考になるのではというのですが、さて・・。

私の好きなフォスターやバーナードショウがアイリッシュとは愉快です。

The worst sin towards our fellow creatures is not to hate them, but to be indifferent to them; that’s the essence of inhumanity.(B.Show、マザーテレサも同じことを言っています )
Liberty means responsibility. That’s why most men dread it. (ショウらしい皮肉な表現)

by murao