2014年10月21日火曜日

読書会2014-10-16「ある明治人の記録 会津人 柴五郎の遺書」



読書会 ある明治人の記録(会津人柴五郎の遺書)  20141016

「会津人は鹿児島の人とは結婚しない」と聞いたことがあります。
戊辰戦争の恨みからだと言いますが、本書を読むとさもありなんと合点です。

それにしても大政奉還を奏上して単身大坂から逃げ帰り、江戸幕府を突如放擲した
将軍慶喜の行動についてどのように受け止めていたのかがよくわかりません。
今ならさしずめリーダーとしての資格が云々されるのでしょうが柴五郎は一言も
恨み節をいいません。
「敗軍の兵、将を語らず?」これも武士道というべきでしょうか。

極寒の移封先下北半島での悲惨な生活には暗澹たるものがあります。
青森県庁給仕採用の知らせが「荒野の曙光」だったといい、
また外国の軍艦に忍び込み海外渡航を企てた、といいます、どの国でも殆どの移民たちは青雲の志を抱いて外国に向かうのではなく滅亡から逃れるため他に手段がなかったことを思い知らされます。

メイフラワーの乗員は上陸後、半数が過酷な自然に負けて亡くなったといいます。
多くの犠牲者を出しながらすし詰めの船底に乗って新大陸を目指した人達もいます。
日本にもハワイやブラジル移民の悲話があるようです。(大岡昇平:蒼茫)

編者石光は明治維新という価値観の大転換をみて「古事記以来、私どもは、いくたびか
数え切れないほど、しばしば歴史から裏切られ、欺かれ、突き放された」といいます。

古事記、日本書紀は壬申の乱の勝者の記録であり近江朝廷や蘇我氏についてはバイアスが
かかっているそうです、公家社会から武家社会への転換、明治維新、第二次大戦の敗戦、
と価値観の大転換を経験し、現在私達は今の価値観を、正しい、として生きています。

しかし資本主義(貧富の格差)とか民主主義(利己主義)とかの普遍的価値と思われるものですら今や問題を抱えているようです、宗教も例外ではないかもしれません。 以上