2013年6月2日日曜日

2013年5月の英語読書会


2013年5月の英語読書会


1.  2013年5月の英語読書会では、Book2の第2章「侵略」(The Invasion)という箇所を学んだ。

2.   ルイスは、しばしば無神論は単純であるが、キリスト教の考え方にも単純なものがあるという。ルイスはそれを薄められたキリスト教(Watered down Christianity)と呼んでいる。すべて実際のものは単純なものではない。単純そうに見えるものも実際には違うのである。宇宙には悪いもの、意味がないものが含まれており、人間はそのことを知っている。今回の担当者のLucas Chatelainさんは、真理なき恵みは弱く、恵みなき真理は過酷である(Grace without truth is weak, Truth without Grace is harsh.)ということを述べた。

3.  宇宙には悪いもの、意味がないものが含まれているという事実を前提にすると、二つの見方がある。一つは、キリスト教の見方(Christian view)で、世界は本来良いものとして作られたが、悪くなってしまった。しかし、本来はこうあるべきだという考え方を保有している。もう一つは、二元論(Dualism)の考え方である。良きものと悪しきものとか独立して存在しており、宇宙はその両者の戦場であるとする見方である。ルイスは、二元論の有用性を認めているが、二元論にも落とし穴があるとする。

4.  二元論は良き力と悪しき力とが戦うというが、その善悪は何によって判断するのか。「良い」「悪い」といった場合には、両者に属さない第三のものを前提とせざるを得ない。良い、悪いを判断する基準を作り出した存在(Being)である。その存在を、ルイスは真の神であるというのである。(He will be the real God.)

5.  新約聖書を読んでルイスが驚いたことの一つは、宇宙における闇の力(Dark Power)について非常に多く語られていることであった。力のある悪しき霊が死や病や罪の背後にあるということであった。だから、キリスト教においても、この宇宙が闘いの中にあることを認めている。ただ、二元論と違うのは、対等の独立した力の間の戦いではなくて、内乱(a rebellion)であるというのである。われわれの住んでいる宇宙の一部が反乱者によって占領されている、というのである。

6. この世界は、敵に占領された領土(Enemy-occupied territory)である。キリスト教は、正義の王(rightful king)がそこに到着したという物語である。この王は身をやつして現れたのである。しかし、わたくしたちの敵は、わたくしたちに自尊心(conceit)、怠惰(laziness)、知的な俗物根性(intellectual snobbery)を利用して、その王の働きを妨げているのである。

7.  「あなたはひずめ(hoofs)や角(horns)のある悪魔を持ち出すのですか」と問う人がいるならば、ルイスは、「自分はひずめや角には詳しくはないが、ある意味で「そうです」と答えたいというのである。さらに、その悪魔をもっと知りたいという人がいれば、「心配しなくても、本当に知りたければ、悪魔を知ることになるでしょう」と答えたいというのである。

8.  Lucas Chatelainさんは、ヨハネによる福音書1:14「言(ことば)は肉となって、わたしたちの間に宿られた。わたしたちはその栄光を見た。それは父の独り子としての栄光であって、恵みと真理とに満ちていた。」を披露して、Invasionに関する聖書の考え方を明らかにした。また、二元論に関しては、エフェソの信徒への手紙6:12「わたしたちの戦いは、血肉を相手にするものではなく、支配と権威、暗闇の世界の支配者、天にいる悪の諸霊を相手にするものなのです。」を引用して、ルイスの説明の聖書的裏付けを行った。

9.  話し合いでは次のようなことが意見交換された。
①    Invasionという標題が最初は何を言っているかと思ったが、神によって良きものとして作られた世界が悪魔によって占領されているので、神様が姿を変えて(イエスとして)この世界に侵略してきたという意味であることが分かった。
②    ルイスのナルニア物語にも、この考え方が描かれているように思う。
③    薄められたキリスト教という考え方は、ボンヘッファーのいう「安価な恵み」と同じものではないか。

10.  次回の英語読書会は、2013年6月2日午後2時―3時半です。英語が得意でなくてもどうぞご参加下さい。Mere Christianity の訳本を読んで参加する方々もいます。